肛門科

肛門科とは

肛門科まえだクリニックでは、肛門科の診療も行っています。
肛門科とは、痔などに代表される肛門とそのまわりで起こる症状・疾患を診る科で、疾患の多くは良性で放置しても命に関わる恐れはほとんどありませんが、排便が困難になったり、痛み・かゆみが生じたりするなど、QOL(生活の質)の低下を招く恐れがあります。

肛門科へよくご相談いただく痔は、以前は入院しての手術が必要でしたが、現在では日帰り手術で治療することが可能になっています。
痔は再発が多い病気なので、できるだけ再発が抑えられるように治療いたしますので、痔の症状でお困りの際はお気軽に当院へご相談ください。
肛門科への受診をためらう方も多いですが、プライバシーに配慮して診療いたしますので、安心してご来院ください。

 

肛門科の診察の体勢は?

肛門科の診察では、まずは身体の左側を下にして横たわっていただき、右膝を強く曲げ、左膝を軽く曲げた状態で、肛門などの患部を診させていただきます。
診察時にタオルをかけて、できるだけ露出する部分が少なくするようにいたしますので、ご安心ください。

視診 診察では最初に肛門のまわりを肉眼で診る視診を行います。
指診 その後、肛門に指を挿入して括約筋の状態などを調べる指診を行います。
肛門鏡 最後に、肛門鏡と呼ばれる専用器具を用いて、より詳しく肛門の状態を確認します。
腹部の診察 肛門だけでなく腹部の診察も行います。
この際、仰向けになって両膝を立てることで、腹部の緊張が緩和されます。

このようなお悩み・症状はありませんか?

肛門にできものがある

肛門にできものがあるがある場合、いぼ痔(内痔核・外痔核)のほか、肛門ポリープや直腸脱の可能性があります。
また、稀に直腸にできた大腸ポリープが脱出して肛門にふくらみ・出っ張りができていることもあります。

肛門から血が出ている

肛門からの出血は、肛門科へご相談いただく症状の中でも最も多いものです。
肛門から血が出ている場合、内痔核やきれ痔(裂肛)が疑われます。
大腸がんや潰瘍性大腸炎によって出血が起こる場合もあるため、大腸カメラ検査を受けて出血の原因を詳しく調べるようにしましょう。

肛門が痛む

肛門に痛みがある場合、きれ痔(裂肛)、血栓性外痔核、痔ろうの前段階である肛門周囲膿瘍が疑われます。

肛門にかゆみがある

肛門まわりに湿疹ができ、皮膚炎が起こってかゆみが生じている可能性が高いですが、肛門部白癬や肛門部カンジダ症の可能性もあり、これらの疾患の悪化を招かないためにも、かゆみが続く時はすぐに肛門科へ相談するようにしましょう。

痔について

痔について
痔とは、肛門や肛門まわりで起こる疾患の総称で、主なものとしていぼ痔(痔核)、きれ痔(裂肛)、痔ろうの3つがあります。
いぼ痔(痔核)は痔ができる部位に応じて、さらに内痔核と外痔核に分けられます。

痔の原因

痔の主な原因は便秘・下痢などの排便異常、排便時のいきみ、長時間椅子に座るなどして肛門に負担をかけることなどです。

痔の種類は大きく分けて3つ

痔は大きく次の3種類に分けられます。

いぼ痔(痔核)

いぼ痔肛門まわりの血流が悪化してうっ血し、いぼ状のできものができた状態です。
いぼ痔のうち、肛門内部の粘膜にできたものを内痔核、外部にできたものを外痔核と言います。
内痔核
主な症状
  • 排便時の出血
  • 痔の脱出
  • 脱出した痔が戻らない

内痔核で痛みが起こることはほとんどなく、主な症状は排便時の出血や痔の脱出などです。
また、脱出した痔を指で押し込まないと戻らなくなることもあります。
現在、内痔核のほとんどは日帰り手術で治せるようになっています。

外痔核
主な症状
  • 肛門が強く痛む
  • 肛門にふくらみができている
  • 肛門に血豆のようなものができている

内痔核と違い、外痔核では強い痛みをともなうことが多く、反対に出血はほとんどありません。
外痔核は肛門の外部にできるため、患者様自身で気づきやすいので、肛門にふくらみのようなものができているのに気づいたら、すぐに肛門科へご相談ください。
外痔核の多くはお薬を使って治療で治すことが可能です。痛みが強い場合には、病変部を切開し血栓(血の塊)を除去する手術がを実施します。

内痔核のGoligher (ゴリガー) 分類

きれ痔(裂肛)

主な症状
  • 切れ痔排便時の強い痛み
  • 排便後、痛みが長く残る
  • 少量の出血

肛門の皮膚が切れたり、裂けたりしている状態で、便秘によって硬くなった便、また慢性的な下痢便により肛門の皮膚がダメージを受けて起こります。
早期に治療を受けることで、短期間で治すことが可能ですが、何度も同じ部位できれ痔(裂肛)が起こると肛門狭窄を生じる恐れがあるので注意しましょう。
排便後、痛みが長く続くような場合、悪化している恐れがありますので、そのままにせずに早めに肛門科を受診するようにしましょう。

痔ろう

主な症状
  • あな痔肛門まわりの強い痛み
  • 熱感・腫れ
  • 発熱

肛門周囲膿瘍が進行して、肛門まわりの皮膚にできるトンネル状の穴のことを痔ろうと言います。
一度できた穴は自然に塞がることはなく、悪化すると穴が枝分かれして肛門機能が著しく低下してしまう恐れがあります。
痔ろうを治すには基本的に手術が必要ですが、早期にご相談いただければ負担の少ない日帰り手術で治療することが可能ですので、症状に気づいたらそのままにせず、お早めにご連絡ください。

肛門科のQ&A

痔の治療は肛門科でしか受けられませんか?

痔に対しては専門的な検査・治療が必要になるため、肛門科の受診をおすすめします。 特に手術が必要なケースでは、肛門科診療の専門知識が必要になりますので、経験豊富な肛門科の医師に相談するようにしましょう。

診察が心配です…痛くありませんか?

肛門科では視診や触診、肛門鏡などの診察を行います。 このうち肛門に指を挿入する触診が痛そうに思われるかもしれませんが、通常の便よりも細い人差し指を挿入しますし、その際、ゼリーを塗ってスムーズに挿入できるようにしておりますので、痛みをご心配いただく必要はないと言えます。

どんな服装で受診すればいいですか?

診察を行う時、ズボンやスカートを下すことになりますので、できるだけ着脱しやすい服装でお越しください。 また、ガードルなど体を締め付ける下着も避けてください。

便秘気味なのですが…肛門科を受診してもかまいませんか?

大丈夫です。 受診前に排便を済ませておいていただけると良いのですが、それが難しい場合、下剤や浣腸などで無理に排便しないようにしてください。

生理になったのですが…肛門科を受診しても大丈夫ですか?

生理中であっても問題なく診察が受けられます。
気になさらずに、予定通り当院へお越しください。

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